プラスチックは本当に悪なの?引き起こす問題と社会の役に立っている事例を解説!
20世紀最大の発明とも言われるプラスチック。
軽くて丈夫で加工しやすいという特性から、瞬く間に世界中に普及しましたが、今ではその処理方法が問題となっています。
日本を含む世界各国でプラスチックの規制が進み、社会はプラスチックを諸悪の根源のように扱っていますが、本当にそれで問題は解決するのでしょうか。
今回は、プラスチックの肯定的な側面にも目を向けることで、問題の本質に迫りました。ぜひ最後まで読んでみてください!
プラスチックは悪なのか
プラスチックは石油から作られているため、燃焼すると二酸化炭素が排出され地球温暖化を促進してしまいます。
また、プラスチックゴミが河川や海に流出し、海洋プラスチックとなって海洋環境を悪化させます。
例えば、海を漂流する海洋プラスチックは紫外線や雨風に晒され、劣化して直径5mm以下の「マイクロプラスチック」となるのです。
マイクロプラスチックは海洋生物が誤飲する恐れがあり、生態系にも影響を及ぼしています。
そして、マイクロプラスチックの重要濃度はこのまま対策をしなければ2030年までに現在の2倍、2060年には約6倍になるとも言われています。
参考:環境省
プラスチックが生まれた背景
プラスチックが初めて実用化されたのは、ビリヤードの玉だといわれています。
当時ビリヤードの球は象牙からできており、毎年少なくとも45万3,000kgもの象牙が消費されていました。
象の絶滅を心配した会社が賞金1万ドルをかけて代替素材を公募した際、印刷工ジョン・ウェズリー・ハイアットが最初の工業用プラスチック「セルロイド」を発明しました。
もともとは「象を守るため」という動物愛護的な理由で開発された素材なのです。
プラスチックが役に立った事例
プラスチックはさまざまな環境問題を引き起こしていますが、実は以下のように役に立っている事例もあります。
- コロナ感染予防の活躍
- 食品ロス削減に活躍
コロナの感染防止の活躍
新型コロナウイルスの感染防止のために用いられるマスク、
フェイスガード、アクリル板、テイクアウト用の容器などは、ほとんどがプラスチックを原料としています。
コロナ禍には世界中で毎月およそ1,290億枚の使い捨てマスクと650億枚の使い捨て手袋が利用され、環境汚染が問題になりましたが、それだけ感染防止の役に立ったと捉えることもできるでしょう。
食品ロス削減に活躍
世界全体でみると、作られた食べ物の1/3が食べられることなく腐敗して埋め立てられ、メタンガスを放出しています。
プラスチックの包装容器は食品の腐敗を防ぐ効果があり、賞味期限を長くすることで食品ロスの削減に貢献しています。
日本では捨てられた食品は処理工場に運ばれ、可燃ごみとして処分されますが、運搬や焼却の際に二酸化炭素を排出し、焼却後の灰の埋め立ても環境負荷につながります。
また、プラスチック包装は密閉されているので、食中毒のリスクを減らすことができます。
代替品は本当に環境に優しい?
近年、プラスチックの代わりにさまざまな素材が用いられていますが、ほとんどの場合は代替品にも問題があります。
例えば、容器やストローに使われている紙は再利用が難しく、需要が高まることで森林破壊につながる可能性がありますし、衣服の素材となるコットンは、大量の水と農薬を使用します。
かつて象の乱獲を防いだプラスチックが環境を汚染しているように、どの素材もバランスを考えて使わなければなりません。
真の悪者は大量生産・大量消費
私はこの投稿を通してプラスチックの使用を推進したいわけではありません
プラスチックを悪者にしても問題は解決しないことを伝え、無駄な消費を見直すきっかけを与えたいのです。
使えば使うほど環境が良くなるという夢の素材が発明されない限り、大量生産・大量消費社会は地球を破滅へと導きます。
問題を根本から解決するために、できる限りごみを出さない生活を心がけましょう。
私たちができる脱プラスチックアクション
私たちが日常で簡単にできる脱プラスチックアクションとしては、以下があります。
おすすめのマイボトルやミツロウラップのレビュー記事は上記のリンクから飛べるので、あわせてお読みください。